素の知識とQMAの知識

改めまして、18日はご参加いただき本当にありがとうございました。
今回の大会に参加されて、「クイズに対する考え方に変化が起こった」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、すみすさんがどういうことを伝えたくてこの大会を開催したのかを少し書いてみたいと思います。
今回の大会で正解された問題を、覚えている限りで構いませんから思い出してみてください。早押しでの正解だけではなく、ペーパーやボードでの正解も、です。その中で、QMAをプレイする事で覚えた問題が1問も無い、という方はおそらくいらっしゃらないのではないかと思うのです。もし無かったとしても、QMAで答えとして入力した経験が「記憶の定着」の補助となっていた部分が必ず存在しているはずです。
ブログを読み返していただけると分かるかと思うのですが、今回の大会に関して自分は「QMAプレイヤーの素の知識の部分だけを問う大会」とは一言も書いていません。その代わりに、QMAでプレイした経験が早押しなどのオフラインのクイズでも生きるということを感じていただきたい、と書きました。実際にそうしたQMAとオフラインクイズのつながりは感じていただけたものと確信しています。
なお、今回の問題の選定に関して、「QMAで出ているから出題しても答えは出るだろう」という考え方のもとで取捨したことはありましたが、「QMAで出ている問題ばかり出して、出ていない問題はなるべく控えよう」という考えは当初から持っておりませんでした。それとは別に、アニメ&ゲームの問題が少し多めになった以外は、普通のオープンで出題してもほとんど何の違和感も無い問題ばかりです。裏を返せば、QMAの問題がクイズサークルで扱われている問題と大差ないということを示していると言えます。クイズサークルの大物プレイヤーたちが作っているのですから当たり前といえば当たり前なのですが。
自分はQMAに関して、素の知識のみで争われるべきだとは思いませんし、努力をして問題を覚えて強くなる事は悪い事だとはまったく思いません。よくQMAの世界で言われる、「素の知識がある奴こそが偉い」という考え方には自分はまったく同調できません。努力して問題を覚える、という構図はオフラインのクイズサークルにおいても、実際に早押しをしたり、問題集を読んで覚えたり(会場でお求めいただいたようなモノです)するという形で確実に存在します。
また、だからといってクイズをするにはそうした努力を欠かしては参加する資格すら持つ事ができない、と考えているわけでもありません。日常生活の中で本を読んだり、TV、新聞などのメディアに触れたり、実際に体験、経験する事によって得られたりする知識を生かして、クイズに正解できるのは誰しも嬉しいことですし、自分自身、QMAの新問でQMAともクイズサークルとも関係の無い部分から正解を引っ張り出してくる事は本当に嬉しいものです。
クイズの面白いところは、クイズに強くなるための方法が幾通りも存在する事だと自分は考えています。実際に早押しをやっても良いですし、QMAをプレイしても知識は身につきます。それ以外にもクイズ以外の趣味の活動もクイズに結びつける事は可能でしょう。例えばすみすさんなら趣味の格闘技観戦からクイズの場に知識を結びつけた事は幾度と無くあります。もちろん学校で習った事などはクイズに直結すると言っても良いでしょう。ですから例えばQMAにおいて、普段は即答だけど新問が取れないから弱いなどと言う人がいますが、それは違うと思います。新問であれ何であれ、最終的にきちんと答えられるようになるのであれば、覚える手段が本だろうがQMAだろうが関係ないと思うのです。
端的に言えば、クイズに対する接し方、QMAプレイヤーであればQMAに対する接し方に関して、もっと寛容であって欲しいのです。出てくる問題を片っ端から覚えていって強くなるのもひとつのプレイスタイルですし、自分が実生活の中で得た経験や知識だけで挑戦するのもひとつの形として存在しても良いと思います。そうした中で、それぞれがお互いのプレイスタイルを悪く言うことなく、ひとつの形として尊重できるような環境が形成できたら、と思うのです。言うまでも無い事ですが、それには「真剣勝負」ということが大前提になるのですが、今回ご参加いただいた賢者の皆さんならきっとその辺りはご理解いただけているもの、と信じております。